アバナードの女性活躍推進
誰もが輝ける、そして自分らしく輝く
アバナードは2000年の創立以来、インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)に関して目標を設定し、遂行してきました。まずは、「テクノロジー業界には女性が少ない」という課題に焦点を当てるところから始まりました。問題の本質に対処するため、アバナードは女学生や若い女性にSTEM(科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学)の魅力を伝え、奨学金を提供し、プログラムを立ち上げました。
しかし、インクルージョン&ダイバーシティは、1つのグループや1つの課題に限られるものではありません。これを実現するには、毎日、すべての人が、あらゆることに取り組む必要があります。この取り組みは、船に例えるなら順調に航行するための追い風なのです。アバナードのインクルージョンの文化の醸成には、性別、国籍、年齢、性的指向・性自認・性表現、障がいの有無・人種・宗教(全ての人々と、その人生における全てにおける段階)などのあらゆる属性を考慮に入れていなければ、不十分だと言えます。
2019年に、Pam Maynardはアバナード初の女性CEOというだけではなく、初めての有色人種である女性のCEOとなりました。彼女は、アバナードがすでに確立していたI&Dの基盤の上に、すべての人を関与させる包括的な戦略を築くことに情熱を注ぎました。そして、2020年、初めてのインクルージョン&ダイバーシティ最高責任者として、Hallam Sargeantがアバナードに入社しました。
「私はインクルージョンとダイバーシティの推進に情熱を持っています。そして、ダイバーシティを抜きにしてイノベーションは生まれない、と私自身信じています。ダイバーシティは、私たちに自らの思考方法を見直し異なる観点に基づく考え方やマインドセットを取り入れるきっかけを与えてくれます」
アバナードでは性別、国籍、年齢、性的指向・性自認・性表現、障がいの有無などの属性に左右されず、個性を強みとして実力を発揮できるような環境を提供しています。
アバナードのインクルージョンとダイバーシティ(I&D)のビジョンは、世界で最もインクルーシブな企業の 1 つとして認められることです。これを実現するために、私たちの行動は、自発的な行動、継続的な学び、エンゲージメントという 3 つの戦略的な柱を中心に構築されています。
アバナードではI&Dの進捗が把握できる明確な目標を設定し、全従業員が四半期ごとにその目標の達成状況を確認できるようにしています。
アバナードのI&Dフレームワークは以下の3つのコンセプトに根差しています。
アバナードでは、インクルージョン&ダイバーシティに基づいた行動が、人との接し方から、意思決定の方法や市場に提供するソリューションに至るまで、すべての取り組みに組み込まれています。私たちの戦略的な優先事項は、インクルーシブな方針とプロセスを構築するだけでなく、インクルーシブな行動を定義し推進することによって実現されます。私たちは、インクルージョン&ダイバーシティを絶えず大切に考えて実践すべき規範だと考えています。
PRIDE at アバナード(日本での取り組み)
LGBTQ+に関して、社内に専用のポータルを設け、同性婚の社員のベネフィット、ハラスメントの禁止、社内外の相談窓口や出張時の注意点などの情報を共有しています。そして、行動規範の一つにある「共に偉大さを認め合う」の追及に必要な基盤に「インクルージョンと心理的安全性」が必要であると明言しており、ベネフィットの申請や相談にも特に心理的安全性に配慮しながら対応をしております。
社員が正しい知識を理解して行動できるよう、管理職と非管理職に分けてLGBTQ+に関する研修を行い、用語に関する基本的理解やカミングアウトを受けた際の対応の仕方、SOGIハラを防止する為の言動などを学習する場を設けています。また、アウエアネス向上のため、当事者の方の気持ちをより理解できるようストーリーテリングセッションも実施しています。
2023年の4月には性別による差別や偏見がなく前向きに生きていくことができる社会の実現に向けて「東京レインボープライド」に初の自社専用のブースを設けて参加をしてきました。社内にはLGBTQ+をテーマとした従業員ネットワークがあり、その参加数は徐々に増加しています。
アバナード従業員が主導し、I&D(インクルージョン&ダイバーシティ)チームがスポンサーを務める従業員ネットワークは、コミュニティを作りイノベーションを起こし、アバナードのすべての従業員がインクルージョンな未来を形成するために積極的に発言できる場を提供しています。アバナードは現在、性別や性的指向・性自認・性表現、国籍、宗教、年齢、軍人グループ、障がいの有無などをテーマにした約15の従業員ネットワークがグローバルに存在し、各地域レベルでは約50の支部組織が存在します。これらのネットワークには、社会から疎外されたグループのメンバーや積極的なアライアンスメンバーが含まれ毎日新しいメンバーが加わっています。
活動中のアバナード従業員ネットワーク(2023年8月現在):
各従業員ネットワークの戦略プランは、私たちのI&Dの重点項目と一致しており、メンバーは会社の方針や提案に対して意見を提供するよう求められています。
ウェルビーイングは、私たちのI&D活動の基本的な要素です。従業員(社員)は私たちの最大の資産であり、従業員(社員)のウェルビーイングは最優先事項です。従業員が最高の状態で仕事に臨みベストを尽くすためには、社員が成長できる環境を整える必要があります。
お互いを尊重し思いやりを持って行動するリーダーシップから始まります。2023年、私たちはアバナードの全リーダーを対象に「ウェルビーイングとインクルージョンで勝ち抜いていく」という研修を開始し、インクルーシブでウェルビーイングの高い環境を作り、職場においてデリケートで個人的な対話をする際の心構えや実践的な方法が学べるよう支援しています。
私たちは、燃え尽き症候群、障がい、がん、男性の健康、更年期といった重要なトピックについてオープンに話し合う場を設け、従業員が生活のあらゆる面でサポートされていると感じられるような、偏見のない環境を作ることに努めています。
ウェルビーイングには柔軟性が重要なため、各社員(従業員)のワークスタイルや生活に合っったスケジュールが組めるように柔軟な働き方を奨励しています。
I&Dの目標達成に向け、全従業員がお互いの立場を尊重して取り組めるような教育に関するリソースの提供に尽力しています。2022年には7,000人以上の採用面接官を対象に、多様で才能のある人材をより相応しい方法で採用できるよう、インクルージョン、エンプロイーエクスペリエンス(従業員体験)、状況別・行動別のテクニック等について研修を実施しました。また、インクルージョンとダイバーシティに関連するよりデリケートで複雑なトピックについての対話の進め方に関するトレーニングも定期的に実施し、従業員に自らの経験を共有することと共感を持って耳を傾けることの両方を奨励しています。
アバナードでは、障がいをお持ちの方をPwD(Persons(People) with disabilities)と呼び、積極的に採用をしています。
PwDの社員の配属先は多岐に亘り、多様な業務にアサインされています。障がいの種類も多様でご自身の強みと業務がマッチし、配慮が十分行き届いた環境で活躍できるよう人事・部門と連携をとりながらサポートしています。また、日頃の相談がしやすいようにキャリア アドバイザーやスーパー バイザ―との1on1も定期的に行われており、当事者と周りの仲間の双方にとってより働きやすい環境を築けるように日々努めています。
「障がいに関するエチケット研修」の実施
アバナードでは全社員向けに「障がいに関するエチケット」研修を年に一回実施し、多様な障がいに関する理解と配慮について学習の機会を提供しています。職場で実際に起こりそうなケースを例として取り挙げ、PwDの社員に対するコミュニケーション方法や接し方に対するポイントを伝え、PwDの社員の困り事を自分事として捉えることで日常の業務で生きるような内容になっています。そして、最後にはクイズに答えることで習熟度が図れるようになっています。
「ニューロダイバーシティ」のツールキットの提供
IT分野に親和性が高いと言われている、ニューロダイバーシティ(脳の多様性)の分野では特に専門的な知見を高めるために「ニューロダイバーシティ ツールキット」を作成しております。ニューロダイバーシティとは、個々の脳や神経の違いを多様性と捉えて互いに尊重し、インクルーシブにするという考え方で、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如、多動症(ADHD)、読字障がい、算数障がいなどの診断が含まれます。
ニューロダイバーシティのあるチームはニューロダイバースが無いチームよりも最大30%も生産性が高いケースが見られたという研究結果がでており、この分野は益々注目度が高い分野となっています。アバナードでは脳の多様性による強みが生かせる特性や課題、サポ―トなどの例がキットになって閲覧できるようにしています。このツールキットは日本のみならず全地域で使用しており、特に注力しています。
PwD当事者とその上司によるパネルトークを開催
社内の認知を高めるためにADHAの当事者の社員とその上司の日常業務の様子が分かるパネルトークを実施しました。当事者の社員が自分の特性を伝え、どういう配慮が必要なのかを職場の仲間に伝えて理解してもらい、キャリアの幅を広げていったエピソードが語られました。また、職場での課題感を当事者目線で発することでPwDとその周りの仲間がお互いに相手の立場を尊重することの重要性を真に説きました。
従業員ネットワーク“DiversAbility Japan”の誕生
アバナードでは現在4つの従業員ネットワークが発足し、テーマごとに共通のテーマに基づいて活動をしています。そのうちの一つである「障がい」をテーマにしたDiversAbilityは意識の高いメンバーが自発的に集まって積極的に活動をしています。4月の発達障がい者週間ではその象徴とされる青のリボンに情報が読み取れるQRコードを付けて啓蒙活動をしました。メンバーのお手製のリボンは、認知を高めて正しい知識を持ってもらいたいという願いが込められています。
また、DiversAbilityの一つのChapterとして、PwD当事者のみが集まるスモールグループも発足し、手話やチャットなどを使い、様々な障がいを持った社員が和気あいあいとコミュニケーションを取る場を提供しています。