ヤンマーホールディングスの市民開発のスキル向上を支援
背景
ヤンマーホールディングスは「ITインフラ・セキュリティの強化」「データ基盤の再構築・モダナイゼーション」「ローコード、RPAなどを活用した草の根DXの展開」「データ活用・分析」などにより、社内の業務改革を行うことを重点的に取り組んでいます。
同社デジタル戦略推進部DX推進グループ 専任課長 世森 達也氏は「ビジネス環境の変化にスピーディに対応するためには、レガシー化したITシステムをモダナイゼーションすることに加えて、草の根DX活動で展開するローコードツールを活用した市民開発が不可欠になると考えている」と話しました。
同社では利用者同士が情報発信や躓いている点を相談できる場としてコミュニティ活動を立ち上げ、2022年7月頃より本格的に活動を開始しました。活動内容としては、悩みを共有して解決策を検討できる場の提供や、社内で開発して活用されているアプリの事例紹介などを通じて、利用者全体で情報交換を行っています。
同社デジタル戦略推進部DX推進グループ 課長 山根 寛司氏も「市民開発には現場の業務改善・DXを自ら推進していくコミュニティ活動が重要だ」とします。
「DXを推進する際に、実際にオペレーションの効率化、最適化に取り組むのは現場で業務に携わる人だというのが市民開発の出発点。そこに本社主導で働きかけるのには限界があり、現場の人が『自分たちの課題を解決し業務を変えていく』文化を醸成することが大事だと考えた」というのがその理由です。「当初、20人位からスタートしたものが、今では口コミで350人位まで拡大してきた」ということです。
ソリューション
そこで、同社はアバナードに「コミュニティに価値を生み出すための取り組み」について相談を行いました。世森氏は「一番の価値提供はスキル向上のためのトレーニングと考え、様々なベンダーに話を聞いて、我々の希望に合致する提案をしてくれたのがアバナードだった」と話します。
アバナード側では「Avanade Flexible Support」を活用し「Microsoft Power Platform(以下、Power Platform)」関連のトレーニングなど、要望に合わせたトレーニングを提供する提案を行いました。そして、パートナーとしてアバナードが指名された決め手となったポイントは、大きく3つありました。
1つ目は「柔軟性」です。「Avanade Flexible Support」は文字通り「こちらのニーズに対して柔軟な対応が可能で、型にはまったトレーニングでなく、拡張性、柔軟性を持った教育が可能だと考えた」ということです。
2つ目は「海外対応」。同社の海外売上高比率は約6割を占めており、「日本だけでなく、グローバルでのDX推進が必須」(世森氏)でした。そのために、教育についても「日本で展開するカリキュラムと同じレベルで、海外拠点で展開できる」点が決め手となりました。
そして、3つ目が「サービス提供の質の高さ」です。マイクロソフトのソリューションに対する専門性、スキルの高さだけでなく「こちらが実現したいことを丁寧に聞いてくれて、提案してくれる提案力や対応力にも魅力を感じた」と世森氏は話しました。
成果
トレーニングの受講実績について、世森氏は「ハンズオントレーニングという性質上、参加できるメンバーは1回につき8名まで」とした上で「2022年9月からこれまでに延べ100名以上が受講した」と話しました。そして「興味はあるがPower Platformに触ったことがない初心者を初級者に底上げし、チームでコラボレーションしながら開発を進められる中級者の育成まで、体系的なカリキュラムが用意できた」と話しました。
山根氏は、アバナードによる支援の効果について「メニュー作りから一緒に、柔軟に対応してくれた」点を挙げ「トレーニングの頻度や形態に至るまで、こちらの要求事項に応じてメニューをカスタマイズ、海外を含めて展開してくれた点に大きな魅力を感じている」と評価しました。