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Tom Nall Bio

執筆者:Tom Nall

現在、製造業は困難な時代を迎えているといっても過言ではありません。このような不確実な状況の中で1つだけ確かなことがあります。それは、これらの混乱から生じる新たな経済状態の中で、見事復活を遂げ、活躍の地位を確保できる製造業者もいれば、それができない製造業者もいるということです。では、皆さんが勝ち組企業になるには、どんな準備を整えるべきでしょうか?それには、デジタルトランスフォーメーションを議論するだけでは不十分です。以下に、考慮すべきいくつかのアイデアを紹介します。

1)自社の組織に社会貢献の要素を組み込む
Tom’s Shoes、Patagonia、Legoは優れた製品を生産するだけではなく、地域社会への還元活動をリードしている企業の一例です。また、新型コロナウイルスの危機が何か良いことを生んだとは到底言えませんが、私は最近、生産拠点をすばやく順応させることで最前線でのウイルスとの闘いを支援した企業の2つの事例を紹介しました。フランスの香水メーカーのLVMHと、スコットランドのクラフトビールメーカーのBrewDogは、どちらも手指の消毒剤(ハンドサニタイザー)を生産し、医療従事者やそれを必要とする人々に無償で提供しました。これらは、全ての製造業者にとって、新型コロナウイルスとの闘いの中で、彼らがそれをただサポートするだけではなく、世界をより良い場所にするために、具体的な行動を起こせることを示したとても素晴らしい実例といえます。もし別のヒントも必要でしたら、 Annie Brightの「社会的に責任ある企業になるとはどういうことか?」についての記事をご覧ください。

2) ビジネスアプリケーションをモダナイズする
多くの製造業者は、今後数年間でデータと分析が重要な投資領域となることを理解しています。しかし同時に、ERPやCRM、SCMなどのビジネスアプリケーションが、データ戦略において果たす大切な役割を見過ごしがちでもあります。ビジネスアプリケーションは皆さんのビジネスの生命線であり、最重要の業務管理システム(トランザクションコンポーネント)であり、チームの日々の活動に欠かせないツールです。そして、ビジネスアプリケーションには、顧客情報や購入品、製品、サプライヤー、資産など、あらゆる情報が含まれており、皆さんのビジネスが持つ唯一で最大のデータソースです。

しかし残念ながら、多くの製造業者は、いまだに数十年前のオンプレミスのレガシービジネスアプリケーションを使っています。こうした旧来のアプリケーションはとても使いづらく、データ取得も一層困難です。その結果、サブシステムやスプレッドシート、従業員の頭の中に大量のデータが保管され続けることになります。現代のクラウドベースのビジネスアプリケーションは多様な機能を備え、使いやすく、拡張性にも優れています。また、何より重要なことは、高いアクセス性を備えているということです。クラウドベースのビジネスアプリケーションは、コストを大幅に削減し、新しい市場や新製品、新しいビジネスラインへの参入も可能にすることで、皆さんのビジネス戦略を支えることができます。 Vanson Bourneが実施した最近のアバナード調査によると、94%の産業機械メーカー(IEM)が自社のマーケティング、ERP、CRMのシステムはもはや必要な目的を果たせないと回答しています。もし、貴社がその残り6%に該当しないなら、ビジネスアプリケーションシステムの大規模改革を本気で検討すべきです。

3) 人材に投資する
もし皆さんが、私がお会いしてきた多くの製造業の経営幹部と同じ境遇に置かれているとしたら、最も苦労しているのは人材に関する問題でしょう。特に、デジタル化が進む経済状況で、成功に必要なスキルセットを備えた人材不足に頭を悩ませているはずです。アバナードが実施した調査では、デジタルトランスフォーメーションの実践における最大の障壁として、適切な人材を採用して研修を実施し、トランスフォーメーションを進めることが挙げられました(46%が該当すると回答)。テクノロジーで進化した最新の生産拠点で、従業員が新たに習熟しなければならない技能や役割を考えると、これは大きな障壁といえるでしょう。しかし、その事実に不平不満を漏らす経営幹部は多いものの、十分な対策を講じていると回答した人はほとんどいませんでした。もし皆さんがこの点でも、彼らと同じ状況にいるようでしたら、今こそその改善にも取り組むべきです。

テクノロジーツールは、グローバルにデジタル化が進む経済下で、競争力の維持に必要な人材育成の、絶好な機会を提供します。たとえば、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を用いて没入型の学習環境を作り、移動時間や出張旅費をかけずに従業員の研修やスキルアップ、スキルの再教育を行うことができます。定年を迎える団塊の世代に向けたインセンティブやプログラムを提供し、次の世代に彼らの経験や知識を引き継ぐように促すこともできるでしょう。主要パートナーの製品やソリューションを従業員が効果的に活用できるように、これらのパートナーと協同で研修を開催してもよいでしょう。地元の大学や専門学校と協同プログラムを立ち上げることもできます。製造業者は今こそ優れたトップ人材を見つけ出し、育成し、会社へ定着させるために、新たな創造力を手に入れるべき時です。

4) イノベーションの文化を築く
既存製品の改良や新製品の開発、新たな人材や市場の発掘など、製造業者がさまざまな競争優位性を獲得し、維持するには、イノベーションが不可欠であることは皆さんご存じでしょう。それでは、皆さんはそのためにどんな取り組みを進めていますか?イノベーションは単に技術的な問題ではありません。時には技術的なことが一切関係ないこともあります。イノベーションは多岐にわたる問題を抱えていますが、その要素の1つに企業文化があることは間違いありません。必要なのはイノベーションの文化を築くことであり、それは企業のトップマネジメントが主導して始めなければなりません。ある企業では、従業員は勤務時間の20%をイノベーションにあてるように指導されています。このような指導ができるのは企業のトップマネジメントだけです。また別の企業では、従業員が集まってブレインストーミングし、アイデアを出し合うための物理的なスペース「イノベーションポッド」を設置した例もあります。イノベーションの文化は、「失敗」を速やかに認め、重要な学びの機会として受け止める「フェイルファスト - fail fast」の文化でなくてはなりません。

イノベーションの文化では、製造業の枠を超えた視野を持ち、広くインスピレーションを得ていく必要があります。先進的な製造業者は、小売業、ヘルスケア、金融サービス、その他の産業からも重要なアイデアを取り入れることができます。イノベーターは、イノベーションを推進するために主要なパートナーとも連携します。例えばアバナードでは無料のInnovation Daysを開催しています。そこでは 、クライアントの主な課題に対するソリューションのブレインストーミングを行う、コラボレーションによるデザイン思考のワークショップの機会を提供しています。企業が従業員を鼓舞し、改善に向けた創造的な発想を推奨する企業文化を創り出すことで、イノベーションが起こる可能性がずっと高まります。

今後の数年間にわたって製造業者に何が起こるかを確実に予測することはできません。しかし、どんな変化が訪れるにせよ、私たちは、皆さんがその変化に対応するための重要なステップを知っています。アバナードでは、戦略、業界のエキスパート、エクスペリエンスデザイン、最先端技術、実績あるアプローチを組み合わせることで、皆さんに最適な解決策を提供しています。

皆さんの製造業ビジネスの目標達成に向けた未来志向のソリューション開発を、私たちはいつでもお手伝いさせていただいております。お気軽にお問合せください。

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