
背景
住友ゴム工業の北米におけるグループ企業、Sumitomo Rubber North America(SRNA)社は、乗用車、トラック、オートバイ用の高品質タイヤをFalkenおよびDunlopのブランド名で製造しています。規制により、毎年末に在庫の棚卸しと報告を行うことが義務付けられていますが、従来の紙ベースのプロセスでは、手動のデータ入力に時間とコストがかかり、非効率的な作業の中で人的エラーが発生しがちでした。SRNA社は、この膨大な作業を完了するために追加のスタッフを一時的に雇用しなければならず、数週間にわたる倉庫閉鎖を余儀なくされていました。
SRNA社のオペレーション、倉庫、および財務チームは、棚卸しと検証プロセスのデジタル化、すなわちオフラインで使用できるモバイル ソリューションを必要としていました。個々のタイヤとパーツに従業員を割り当てて棚卸しを行い、中央データソースに同期させるためです。
ソリューション
アバナードがマイクロソフトテクノロジーに強いことから、SRNA社は、ワークフローを迅速にデジタル化するためにアバナードをパートナーとして選定しました。アバナードはSRNA社と連携して、Microsoft Power Platformをベースとした以下のソリューションをわずか5週間余りで開発しました。
- オフラインで使用できる棚卸し用キャンバス アプリケーション
- 在庫管理モデル主導のアプリケーション
- 棚卸しアプリと同社のERPシステムへのデータのインポート/エクスポートをサポートする複数のPower Automateフロー
成果
SRNA社は、現場での棚卸しアプリの使用により、紙ベースのすべてのプロセスと手動のデータ入力を廃止し、棚卸しプロセスを1日に短縮しました。臨時スタッフを雇用する必要がなくなったことで、時間とコストを節減できました。米国の7つの倉庫の12,000を超えるタイヤとパーツの棚卸し結果の集計を、わずか1日で完了できるようになりました。過去数年と比較して効率と精度が向上し、労力を削減できました。
同社は、Power Appsにより、プロセス効率の一部をすばやく簡単に向上できることに気付きました。将来の機能強化では、ワークフローの合理化とERPとのリアルタイムの統合を検討しています。