すでに全社員を対象にイノベーションを推進していた高級タイヤメーカーのブリヂストンEMIA（以下、ブリヂストン）は、インパクトのあるアプリケーション開発ができる環境を整備し、チームが必要なソリューションを自発的に構築できるようになることを目標としていました。

Microsoft Power Platformを使用して、自分たちで安全なアプリケーションを市民開発し、価値やイノベーションを促進できるようになったことで、今では従業員が、ビジネスの実情に即したアプリケーションを柔軟に設計し、誰でも使いやすく運用しやすい形で提供できるようになりました。

これには製品、価格、職場の健康と安全に関するデータのアプリケーションも含まれます。
また、AIを活用したソリューションやCopilotの基盤を築き、市民開発者と顧客に計り知れない価値を提供しています。

ブリヂストンのリーダーたちは、同社のPower Platformの能力を最大限に引き出して有効活用したいと考えていました。以前は、多くのチームが小規模なプロジェクトや自分たちの要件を満たすために、一時的な対応としてMicrosoft Excelを使用していましたが、さらに規模を拡大できるソリューションが必要でした。

そこでブリヂストンは、Power Platformに関する知識を深めるためのイノベーションプログラムを立ち上げ、新たに設立したセンター・オブ・エクセレンス（CoE）を支援するために、アプリケーション開発の専門知識とCoEの経験を持つ専門パートナーを求め、アバナードを選定しました。

ブリヂストンは、以前よりマイクロソフトと協業関係を構築していました。また、従業員がデジタル化に向けた取り組みをより主体的に行い、その可能性を前向きに受け入れられるように支援することが重要だと捉えていました。「Hanabi」アプローチとの連携を推進し、ミッションに掲げている社会貢献、そして「従業員」支援には格別な気持ちを込めて、これを実践していきました。

ブリヂストン では、長期的なアプリケーション開発計画を本格的に推進できる準備が整っていたため、アバナードは、Power Platform の機能を最大限に活用し、革新的かつユニークなアプリケーションの構築を全社的に推進することに焦点を当てました。お客様とこれまでに築いてきた独自の文化や伝統を踏まえ、コクリエーション（共創）、コラボレーション、イノベーションを Power Platform のエコシステムを支える柱として意識し、プロジェクトを開始しました。

お客様との共同アプローチとガバナンス アセスメントにより、4 つのインパクトあふれるアプリケーションを構築、または再構築することができました。アイデア ワークショップでは各チームに主導を任せ、アバナードがそれぞれのアプリケーションを確認し、再始動できる可能性を見極めていきました。

従業員は、アバナード のアドバイザリーが主催するワークショップでトレーニングを受けながら、市民開発者は 「Power Apps を活用して、何ができるのかを理解すること」にフォーカスし、技術開発者は 「個人でアプリケーションを開発する方法」に焦点を当てながら、アプリケーション開発を進めていきました。

ブリヂストン チームは、組織全体で活用できるアプリケーションを構築しました。従業員のウェルビーイング改善や、製品管理の強化を目指すことで、各アプリケーションでデータを活用するという目的を反映できているほか、顧客のための価値創出や日常業務にもしっかりと結び付いた内容となっています。

ブリヂストンの従業員が開発したアプリケーションを、以下に紹介します:

• B-Health: 製造プラント内の空気、騒音、健康状態や安全管理情報を収集する安全性の高いソリューションで、傾向を把握し、問題発生時にはフラグを立てる
• 請求書管理プラットフォーム（LOIS）：法務部門のメンバーが、どこにいてもリクエストや情報にアクセスできるようにしたもので、.NET と Power Platform の連携により実現した魔法のようなアプリケーション
• デジタル技術データブック：ブリヂストン タイヤ各製品の技術情報を含む総合情報サイトで、ユーザーに使いやすい設計と視覚的なフォーマットにより、さらに正確な情報を顧客に提供できるよう従業員を支援
• 価格設定プラットフォーム：製品発注の際に、特別価格の設定条件の承認を効率化するアプリケーションで、店舗販売や営業を促進する際に活用

今後、ブリヂストンは市民開発チームをさらに拡大し、Copilotやその他のAIを活用したソリューションを含む革新的な技術の導入し、グローバルな顧客に付加価値を提供していく予定です。
また、Microsoft Power Platformを活用したローコード革命を受け入れ、イノベーションを加速し、機敏性と効率性を高め、さらなるビジネス価値を創造していきます。