今年のハノーバー メッセは、「サステナブルな産業を活性化する」というテーマを掲げ、設計、製造、使用のバリュー チェーンをデジタルで変革していく様子が刺激的でした。これらすべての鍵となるのは、エネルギー、水、スクラップ、時間、お金など、さまざまな形で浪費を軽減し、優れた製品をより迅速に生産する能力です。

この目標を達成するには、世界規模でのさまざまな場所、プロセス、パートナー、人にまたがる高度に分散した資産全体で、リアルタイムに近い形でデータを活用していくことが不可欠です。アバナードでは、製造業、サプライ チェーンのお客様に向けて、これをさらにスムーズに実現するための魅力あふれる新たなソリューションを提供することになりました。

• Microsoft FabricのManufacturing Data Solutions (MDS) と工場運営向けCopilotテンプレートを搭載した Avanade Manufacturing Copilot：このソリューションでは、情報技術 (IT) と運用技術 (OT)、どちらのシステムからもデータや情報を活用して、インテリジェンスを引き出し、まるで専門家がいつでも質問に答えてくれるように、Microsoft Copilotの機能を強化することができます。たとえば、作業者が品質管理の問題点について原因を理解できるようサポートすることで、シフトの交代を迅速化することができます。MDSでは、International Society of Automation（エンタープライズ システムと制御システムの統合に関する国際標準）のISA-95を活用して、ナレッジ マネジメントに複数のグラフを統合できるグラフ オブ グラフ アプローチを採用し、上層部から製造現場、そしてその先までの運用を可視化します。

• Microsoft Fabric One Lake：この画期的なプラットフォームでは、製造データを1つの論理データ レイクに統合、強化、モデル化することで、分析情報を生成するまでの時間を短縮します。IoTセンサー、記録システム（エンタープライズ リソース プランニング、製造実行システム (ERP、MES) など）、産業オートメーション アプリケーションといった、さまざまなソースからデータを取り込み、非効率的なプロセスを特定して、製品の品質と生産量を最大化し、ボトルネックや浪費箇所を解消して、コストと二酸化炭素排出量を削減することができます。

• Microsoft Azure によって実現される SONY AITRIOS の高度なマシン ビジョン、エッジ センシング AI、デジタル ツイン：アバナードのソリューションでは、生産ラインの各要所で、製品の目視検査の自動化も可能にし、問題点を早期に特定してスクラップや再作業を削減します。このソリューションは、ワイヤー ハーネス チェックにも利用できるため、電気製品の信頼性も強化できるでしょう。また、搬入口に到着したトラックのナンバー プレートを認識させて、荷降ろしや積み込みのプロセスを迅速化することも可能です。視覚化ツールを使用すれば、車両の積載量を最大化して運行回数を削減し、二酸化炭素排出量を軽減することができます。また、カメラとエッジAI分析を使用して倉庫内の在庫チェックを自動化し、在庫をほぼリアルタイムで表示することも可能になります。これにより、在庫切れを防ぎつつ、手持ち在庫のコストを最小限に抑えるという難易度の高いバランスを維持することができるようになります。

• 新しいトレーサビリティ機能を備えたMicrosoft Dynamics 365 Supply Chain Management：この人気のプラットフォームでは、サプライ チェーンの計画、調達、生産、在庫、倉庫管理、さらには輸送プロセスまでも合理化することができます。新たに導入予定のトレーサビリティ機能も今年後半に登場し、EUサプライ チェーン法など、新たな法規制への対応に向けて、欠陥品や品質に問題のある製品を回収しやすくします。また、このツールでは、個々の識別子（シリアル番号やバッチ番号など）に基づいて、サプライヤーのバリュー チェーン全体、製品のライフサイクル全体を通して、各製品のCoC（Chain of Custody）を作成することもできます。これにより、サプライヤーの調達方法や原材料の入手経路を把握し、環境社会ガバナンス（ESG）への報告を強化することができます。

Microsoft Azure Adaptive Cloud Approach、Azure IoT Operations、Azure Kubernetes Service (AKS)：製造業者は多くの場合、広範囲に点在するさまざまな拠点を持っており、それぞれが独自の機器を有し、IoTデバイスの種類もさまざまです。企業全体で統一されたテクノロジー アーキテクチャとデータ プレーンがなければ、AI、データに基づいた意思決定や大規模なイノベーションが実現できる環境に移行することは困難と言わざるを得ません。Microsoft Azure IoT Operationsは、この課題の解決に向けて、再現可能でスケーラブル、安全なソリューションの展開と管理を可能にする一連のモジュラー サービスです。

IoT資産の大規模な管理は、製造業界で急速に広がる大きな頭痛の種になりつつあります。IoT分析機関は、2026 年までに OEM が販売する製品の 50% 以上が IoT 接続になると予測しています。世界にはすでに接続済みのデバイスが160億台存在します。マイクロソフトの適応型クラウド アプローチなら、AIにより強化された共同イノベーションを促進して、運用プラットフォームを活用し、ハイブリッド、マルチクラウド、エッジ、IoTテクノロジー スタック全体で、連携が取りづらいチーム、分散する各拠点、一元管理が難しくなってしまったシステムを統合することができます。

新たなCopilot機能を追加したMicrosoft Dynamics 365 Field Service：またアバナードでは、ポスト セールスにおけるサービス提供の強化に向けて、新たなイノベーションも提供することになりました。フィールド サービスの技術者は、作業指示書や製品マニュアルの要約、他のMicrosoft Dataverseの記録（顧客の連絡先の詳細情報など）の検索、Ｅメールで進捗状況を連絡する際の下書き作成にCopilotを使用できるようになりました。エンジニアがリモートで専門家のアシストを必要とする際にも、Microsoft Teamsを活用して、その場でDynamics 365 Remote Assist機能にアクセスすることができます。技術者がビデオ通話を発信すれば、どちらからもアノテーショや矢印を使用することができ、注目したい箇所を強調して表示することができます。このソリューションにより、高度なスキルを持つ専門家は、より多くの現場でサービス エンジニアをサポートすることができるでしょう。

ご覧のとおり、エンドツーエンドの生産、サプライヤー、サービスのバリュー チェーンは、情報の宝庫です。こういったデータ管理の新たな進歩と、まるで専門家に問い合わせているかのようなMicrosoft Copilotの機能を組み合わせることで、現場の作業者へリアルタイムに近いインテリジェンスを提供し、生産性、品質、持続可能性を強化しながらコストを削減することができます。

こういった魅力あふれる新たなソリューションの詳細についてご興味をお持ちの方は、当社までご連絡をお待ちしております。

また、世界各地で製造業界向けのイベントも開催しています。同業者同士でつながりを構築して、新たな視点やインスピレーションを得るためのきっかけとしていただければと思います。参加をご希望の際も、当社までご連絡ください。